国際法教育ワークショップ④ 『国際法ゼミを耕す』
第4回の国際法教育ワークショップでは、大人数向けの授業とは異なった学びの現場であるゼミ(専門演習)の教育内容や環境整備について話し合っていきます。ゼミナールの語源であるラテン語のseminariumには「苗床」といった意味があり、まさに教員が一人ひとりの学生に目をかけて大事に育て上げる場所です。大人数向けの授業では学習内容の平準的な習得を目指してもらうのに対して、ゼミでは他の苗床とは一味違った実を結んでもらうために、特別な水や肥料を与え、土壌を整えることになるでしょう。
とくに国際法ゼミを選ぶ学生の目標は多様であり、それに伴って各ゼミの特徴も百花繚乱とも言える彩りがあります。
- 読解力を鍛える文献輪読や判例分析
- 具体的な成果物を執筆する卒論やレポート
- 国内外の他大学生と切磋琢磨する模擬国連や模擬裁判
- 日本や世界の土地・人々と接するフィールドワークやインタビュー調査
- 実務的な経験を得るロールプレイやシミュレーションなど
他方で、ゼミの運営は一筋縄ではいかず、以下のような悩みが国際法教育者から聞こえてきます。
- 厳しさと楽しさのどちらに重きを置くのか
- 少人数と大所帯のどちらに舵を切るのか
- ソロプレイとグループワークのどちらを求めるのか
- 教員が積極的に介入するか学生の主体性に任せるか
- 学生と教員との間での認識のズレはどのように解消すべきか
今回のワークショップでは、このような国際法ゼミの多様性や可能性を探りつつ、教員が抱える/そこで生じる悩みについて共有することで、それぞれのゼミをより良く育てていくことを目指していきます。これからゼミを持つ可能性のある若手研究者も大歓迎です。
根岸陽太(西南学院大学准教授)
二杉健斗(大阪大学准教授)
平野実晴(立命館アジア太平洋大学助教)
📅🕒日時・実施形態
2023年(令和5年)5月21日(日) (開場12:45)13:00~15:00
ハイブリッド形式(対面:早稲田大学早稲田キャンパス8号館404教室、オンライン:検討中)
【当日の流れ】
13:00~13:30 イントロダクション
- 国際法教育ワークショップの説明
- アイスブレイク等(第3回のアナロジーの振り返り)
13:30~15:00 ワークショップ
- 事前アンケートの共有
- 参加者からのゼミ紹介
- グループワーク(45分)
- 全体共有
- まとめ、今後の課題
📍会場
早稲田大学早稲田キャンパス8号館404教室
開催記録
【第4回のアナロジー】
「苗床」を整備する農家が日々苦闘しているように、
ゼミの水や肥料とも言える教育内容
ゼミの土壌とも言える環境整備
Warm-up: 1人30秒自己紹介
- ゼミを持った経験の有無 ― YES/NO
- ゼミ生の属性(学部、学年、関心)
- 今日話してみたいことなど
‣
Workshop: 『国際法ゼミを耕す』(1h)
グループワーク①:問題発見
ブレインストーミング(経験値に合わせてグルーピング)
- 悩み、苦労、改善したいこと
- 試してみたいこと
などなど
論点整理
西野毅郎『日本のゼミナール教育』(玉川大学出版部、2022)175頁
グループワーク②:解決
工夫・アイデアの共有(経験値に関わらずグルーピング)
全体共有
📖 参考文献
- 近田政博『(シリーズ大学の教授法5)研究指導』(玉川大学出版部、2018)
- 西野毅郎『日本のゼミナール教育』(玉川大学出版部、2022)