Concept

グローバル化が進む今日、国際法教育は転換期を迎えています。これまで国際法は、国家を基本単位とすることから、外交官や国際機関職員、学者といった一部の専門家によって用いられてきました。しかし現在では、国境を越えて行われる経済活動や人の移動、そして環境問題の深刻化などに伴い、国内法曹や地方公共団体を含む行政職員、ビジネス関係者、市民社会など、多様な立場で働く人々にとっても当たり前に使われています。この現代社会を取り巻く現象は、国際法教育がこれまで前提にしてきた「学ぶ人」・「教えるべき内容」・「教えるための材料」に再考を迫っています。このようなダイナミックな変化のなかで、私たち若手研究者(early career researchers)は、経験が浅いために手探りで教育を試みなければならない状態にあります。

これまで国際法の教育スキルは、あくまで各教育者が自らの教育実践を通して培うものであると考えられ、若手教育者へのトレーニングは行われてきませんでした。しかし、グローバル化時代の要請を背景に、高い質の国際法教育が求められています。さらには、これまでの教育内容・手法・目的を根本的に見直す必要も迫られています。

国際法教育CoLabでは、若手教員の協働を生み出しつつ、3つの境界を超えて、教育者の共育のための場づくりを進めます。

国際法教育の比較研究と若手教育者の能力育成 ―分野・国境・世代を超えるコラボレーション―

公益財団法人 末延財団(比較法・外国法研究教育プロジェクト助成)

企画幹事

根岸陽太(西南学院大学法学部准教授) 二杉健斗(大阪大学大学院国際公共政策研究科准教授) 平野実晴(立命館アジア太平洋大学アジア太平洋学部准教授)

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