国際法教育カフェ② 体を動かし頭を働かせる講義作り
国際法教育カフェ② 体を動かし頭を働かせる講義作り

国際法教育カフェ② 体を動かし頭を働かせる講義作り

国際法教育カフェ② 体を動かし頭を働かせる講義作り

国際法は世代を超えて受け継がれていく。若手教員が後進に教えていくにあたって、先輩教員たちがどのような経験をしてきたかを聞いてみたい。でも世代の壁は意外と高いもの。「緩やかに交流できる "カフェ" のような雰囲気があればいいのに…。」

そのような声に応える「国際法教育カフェ」では、ゲストの先輩教員からざっくばらんに話していただき、若手も交えて意見交換する時間を持っていきます。

第2回目は、アクティブラーニングを取り上げます。小規模~中規模の講義を念頭に、どういったアクティブラーニングがあるのか、小林友彦先生からご紹介いただきます。参加者同士でも共有したり、課題を話したりする時間を設けます。

ゲスト:小林友彦先生(小樽商科大学)

日時:2023年11月2日(木)17時~18時

形式:Zoom(参加登録された方に詳細をお送りします)

登録:こちらからお願いします

※ このイベントは、「国際法教育の比較研究と若手教育者の能力育成―分野・国境・世代を超えるコラボレーション―」(公益財団法人 末延財団「比較法・外国法研究教育プロジェクト助成」から支援を受けています。

開催記録

💬
小林先生からのお話
  • 「腕相撲ゲーム」を例に、小林先生が授業で導入しておられるいくつかのアクティブラーニングの方法をご紹介いただきました。
  • 腕相撲ゲーム
    • 方法:学生にペアを組ませ、腕相撲を行わせる。勝てば2点、負ければマイナス1点。1分間で繰り返し行い、各個人の点数を競う。
    • ポイント:学生は互いに交渉し、戦略を立てることができる。純粋に力を競うのではなく、交渉によって双方の最大利益を実現できることを学ばせる。
    • 意義:ゲームを用いることで学生の関心を引きながら、国際法の形成において行われる交渉のあり方を実感させることができる。
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参加者との質疑応答
大規模なクラスでのアクティブラーニングの実施方法は?
  • 大規模なクラスでは、複雑なゲームより腕相撲のようなシンプルなアクティビティが望ましい。
  • 全員参加を必須とする必要はなく、希望者のみ前に出てくる形を取ることもあり。
  • 腕相撲の場合でも、腕力が強い人と交渉力がある人とがプレイして異なる結果に至ることを分かってもらえればゲームの意義としては十分。
学生の積極度に差がある場合にどう対応するか?
  • そのような場合には、積極的な学生だけを前に出て参加させることで、消極的な学生にプレッシャーをかけずに関心を引き出すことができる。
  • 小規模クラスでは事前課題を与え、準備度が近い順にペアを組ませることで、ミスマッチを避けることができる。
講義全体のうち、どのタイミングでどのくらいの規模のアクティブラーニングを配置するか?
  • (小林先生は)アクティブラーニングを「アニマルスピリット」=「学生のやる気や関心」を維持するために利用しているため、講義全体を通じてばらけさせて配置している。
  • 講義の初期は簡単な活動から始め、徐々に事前準備が必要なものや授業の半分を使うような複雑なグループワークへと進めていく。大きめのアクティビティは3回に1回程度。
  • 授業内容や学生のレベル(例えば学年)によって、頻度や難易度を調整している。
講義を持ち始めたばかりの時期にアクティブラーニングを取り入れる際のハードルと対処方法について?
  • たしかに、新人の頃は講義の組み立てや教材作成で忙しく、アクティブラーニングの導入はさらなる負担に感じられがち。
  • しかし実際には、アクティブラーニングを行うと、そのぶん喋る時間が減るので講義の準備は「楽」になる。一度設計してしまえば、長期的に見て教員の負担を軽減でき、学生の満足度も高まる。
  • アクティブラーニングの導入により、教員にとっても学生にとってもWin-Winの状況を作り出すことができる。
小林先生がアクティブラーニングを取り入れたきっかけと初期の苦労は?
  • 在外研究の際に交渉学の授業で交渉ゲームのことを知り、特にWTOやFTAなどの国際経済法で重要なルール交渉の意義を学生に体感してもらうのに有用だと思い取り入れている。
  • 初期費用はあるものの、リソースを再利用し改善することで、アクティブラーニングがより取り入れやすくなる。
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参加者から紹介のあったアクティブラーニング